2012年5月1日火曜日

大分・生と死を考えるセミナー


人は死別などによって大切な人を失うと、長期に渡って「悲嘆(GRIEF)」
を感じます。その悲嘆に襲われている人に対するサポートのことをグリーフケアと言います。風之荘では、グリーフケアに大分ではいち早く取り組んでいてその取り組みのひとつとして今月、5月26日(土)に風之荘本館にて上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケンス氏を迎えて公開セミナーを開催します。
講師のデーケンス氏はドイツオルデンブルク生まれでイエズス会司祭、哲学者でもあります。
専門は死生学。母国ドイツでは、1970年代半ばから、中学や高校で、死の準備教育が盛んになったと言います。
そういった環境で生まれ育ったデーケンス氏は今や日本各地で、生と死を考えるセミナーを行っています。
セミナーのテーマは「よく生き よく笑い よき死と出会う」です。
すでにデーケン氏が執筆した同テーマの単行本が出版されています。
当日、都合の悪い方はこちらを読むのもいいかもしれません。
さて、もう少し内容について詳しく説明すると、と思いましたがこれから受講される方も多いと思いますのでデーケン氏の言葉、アルフォンス・デーケンの祈りユーモアと笑顔のすすめから興味深かったことをご紹介。

私の母国ドイツには「ユーモアとは《にもかかわらず》笑うことである」という有名な定義がある。
これは、自分はいま大変苦しくつらい状態だが、それにもかかわらず、相手を少しでも喜ばせようとほほえみかけるやさしい心づかいが、真のユーモア精神だという意味である。

いま日本人のがんによる死亡率は、全体の28パーセントを占めるという。
これは4人に1人以上はがんで亡くなるということだから、がんに罹る人はもっと多いわけである。私もその1人だ。
3年前の春、大腸のポリープをとったら、細胞検査でがん細胞が見つかり、1ヵ月ほど入院して、大腸の一部切除の手術を受けた。
この入院前後の初体験は、改めて私にがん患者の微妙な心理経過と、医療関係者の対応の難しさを実感させてくれた。患者は医師や看護婦や検査技師たちの、ちょっとした動作や顔の表情にも敏感に反応し、過剰な不安を感じてしまうものだ。
幸い私は、順調に回復して現在にいたっているが、この経験は、それまで自分の健康を過信していただけに、大きな転機になったと感謝している。
ユーモアは神が人間だけに与えられたすばらしいプレゼントだ。ときには笑顔が言葉よりも多くの思いを伝える。現代生活のなかで、生涯まったく入院生活をもたないという人はきわめて稀だろう。
患者やその家族の立場に立つと、だれもが病院のなかにもっと温かくほっとできる雰囲気を望むのではないだろうか。
ユーモアと笑いには、お金をかけずにそうした環境を創りだす不思議な力がある。
この人間的な能力を、病院やホスピスのなかで十分に活用していただきたいというのが、私の念願である。

とデーケン氏は語っています。
このデーケン氏の願いは現実になるといいなと感じてる人も多いはず。

とはいえ、デーケン氏のセミナーは数少ない良い機会だと思うので、興味のある方は是非、ご参加ください。

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